私物と感性

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大切にしている私物を教えてください。

大切にする私物とは何か。答えはシンプルだ。気に入ったものは大切にする。気に入らないモノは手に入れないし、有れば手放す。ただそれだけのことだ。

もちろん、その間には曖昧な領域も存在する。特別に愛しているわけでもなく、かといって捨てるほどでもない。引き出しの奥に静かに収まっているもの、なんとなく持ち続けているもの。そういう中間的な存在も、確かにある。

では、何が「気に入る」を決めるのか。理屈ではない。感性だ。合う、合わない——その感覚は、手に触れた瞬間や、目に入った瞬間にもう決まっていることが多い。なぜ好きなのかをうまく説明できなくていい。言葉にならないところに、むしろ本物の感覚が宿っている気がする。

思えば、その感性とは自分そのものだ。これまで見てきたもの、触れてきたもの、好きだったもの嫌いだったもの——そういった経験が積み重なって、「合う・合わない」という直感が育まれていく。

だから私物を見れば、その人がわかる。大切にされているものの中に、その人の感性が静かに映し出されているのだ。

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