何度聞かれても

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世界で絶対に行きたくない場所はどこですか ? なぜですか ?

答えはある一点を軸に据えてきた。特定の国そのものではなく、ある国の人間がいる場所、というのがその答えだった。

当初、その条件はシンプルだった。彼らが足を向けるところは、例外なく避けたい。それだけだった。しかし時間をかけて経験を積むうちに、その輪郭は少しずつ広がっていった。今では、彼らに直接関わる人間がいる場所もまた、その射程に入る。接点が連鎖するように、不快の波紋も広がっていくのだと気づいた。

「いい人間もいるでしょう」と言う人がいる。しかし私はそれを素直に頷けない。これは偏見や思い込みではなく、実体験に根ざした結論だ。日本人が一人という、その国の企業に勤めたことがある。そこで目にしたのは、礼節の欠如、マナーの不在、ルールへの無頓着、思いやりの薄さ、そして利他心のかけらさえ見当たらない日常だった。一人でも、例外と呼べる人間と出会えていたなら、私の言葉も変わっていたかもしれない。だが、そうはならなかった。

そういった人間が一定数いるだけで、空間の質は変わる。場の空気が重くなり、ただそこにいるだけで消耗する。場所の問題ではなく、人の問題だ、と思っている。

その国自体は、もし彼らがいないのであれば、行きたくないとまでは言わないかもしれない。しかし現実には、大気汚染が深刻で、建物や公共交通機関の安全性に対する不安もある。今この瞬間に赴く理由を、私は見出せない。ただ、一つ言葉を修正するなら、「絶対に」という副詞は、もう外してもいいと思っている。絶対とは、いかなる条件下でも変わらないという宣言だ。そんなところでも、彼らさえ居なければ、衛生対策、安全対策を万全にするという条件次第だ。

行きたくない場所は、今もある。それは変わらない。ただその理由は、より具体的に、より自分の言葉になった。そしてその答えは、これからも少しずつ、問い直されていくのだと思う。

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