初めて使ったコンピューターについて書いてください。
僕が育った時代の“コンピュータ”という言葉は、今の若い世代が思い浮かべるそれとは、まるで別物だったからだ。高度経済成長の熱気がまだ街に残る日本、とはいえ、我が家は決して裕福ではなく、家電といえば白黒テレビがある程度。電子機器は「高嶺の花」で、コンピュータなどは、どこか遠い研究所か大企業の奥に鎮座する“巨大で特別な機械”というイメージだった。そんな時代に「初めて使ったコンピュータは?」と問われると、答えはなかなか一筋縄ではいかない。そもそも、どこからを“コンピュータ”と呼ぶべきなのか。電卓も、ゲーム機も、電子辞書も、今思えば立派なコンピュータだ。だが当時はそれらを“コンピュータ”と認識していなかった。思い返せば、最初に「自分で操作した」と言える電子機器は、任天堂のカラーテレビゲームだろうか、確か単純なドットをバーで打ち返すだけだったようなゲーム。今のようなゲームは想像すらしていなかった。
それらしいモノといえば、それから暫く先の大学の研究室になってしまう。NECのPC98シリーズとかだったか、先生が論文作成をしていたりした日の記憶もある。授業ではフォートランというプログラミング言語を受講した記憶もあるが、内容はすでに何処かへ行ってしまった。
時代とともに“コンピュータ”という言葉の意味が変わってきたように感じる。だから答えは曖昧になる。結局のところ、「初めて使ったコンピュータは?」という問いは、”あなたにとってコンピュータとは何だったのか”という、問いにも思えた。


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