家族。新しい優先事項

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あなたが人生で行ったポジティブな変化を1つ教えてください。

これまでに最初の外資系企業への転職に、無宗教だった自分が、父を亡くしたことを機に仏教を敬うようになったことを書いた。

サラリーマンを辞めた。会社都合がキッカケだ。そして少し職業訓練校に通った後に起業した。すると自分の中に、ひとつの指針ができた。家族を、第一に敬う。

振り返れば、これは唐突な決断ではなかった。コロナ禍以降、会社員であっても仕事の場は自宅へと移っていった。起業してからはなおさらで、ホームオフィスはごく当たり前の風景になった。家で仕事をするということは、そこに家族がいるということだ。かつては職場と家庭のあいだに物理的な距離があり、その距離が一種の仕切りになっていた。今はその仕切りがない。

だが、不思議と支障はない。

自分のオンとオフさえ整えられていれば、集中すべきときは集中できる。業務管理にはビジネスソフトウェアを導入し、アナログや感覚、記憶だけに頼らないようにしている。他に従業員がいるわけでもないが、だからこそ仕組みに任せる部分は仕組みに任せる。通勤時間も、通勤手当も、もう必要ない。削ぎ落とされたものの分だけ、何かが満たされている。

以前は、仕事が家族より優先されることがあった。父が逝った日のこと。知らせを受けてから、顔を見られたのは丸一日が経ってからだった。あのとき自分は仕事で支那に居た。家族を最優先にすると決めてから、何か歪みが生じるかと思っていた。仕事が滞るか、けじめが崩れるか。ところが、別段何もない。業績は別にして、静かに整ってきている。

これが誰にでも当てはまるとは思わない。たまたま自分の気質や仕事の性質と、うまく噛み合っているだけかもしれない。仕事も家庭もばらばらな出来事ではなく、今、ひとつの流れの上にある。

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