どのように地域社会を改善しますか ?
この問いかけを前にして、言葉を失っている。アートの力で、と書いたこともあった。移民政策の歪みについても書いた。ルールもマナーも顧みない者たちが、すぐ隣に存在するという現実も。怒りや落胆を、なんとか言葉に変えようとしていた時期が確かにあった。
だが今は違う。
ここは終の住処ではない。そう確信してから、この土地への関心が静かに、しかし完全に消えていった。県や市の観光大使という肩書きも、最初の熱量だけで形骸化した。政治に携わる者たちは、市民の声も上辺だけなぞり、自らの描く絵図を進め続けている。いいんじゃないか。それで。
善意が噛み合わない場所がある。私の「善」が、ここでは「善」では無いようだ。それは誰かを責めることではなく、ただの不一致だ。土地と人間の、静かな不一致。だから私はアートに還った。余計な雑念を追わないために。移住先はもう決まっている。そこには構想が山積みになっている。それまでのあいだ、この余白の時間を、せめて自分の作品に使い果たそうと思っている。
此処で改善など、もう求めていない。ただ、静かに、次の場所へ向かうだけだ。


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