名前を冠する。

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自分にちなんで名付けるとしたら、何に名前を付けますか ?

以前、真っ先に浮かんだのはblogだった。次いで自伝。どちらも即座に、ああそうだ、と腑に落ちた。これらはすでに自分そのものだ。他の誰かが書けるものではなく、他の誰かが持てるものでもない。だからこそ名付けるに値する。名前を冠することへの抵抗が無い。

では、それ以外に何かあるか。

作品。作ったもの、形にしてきたもの。しかしそれらにはすでに、それぞれに相応しい題名がついている。題名とはその作品の魂のようなもので、後から自分の名前を上書きするのは、どこか無粋な気がした。作品はもう、自分の手を離れている。では他に。

やはり、ない。

ないのだが——名付けるつもりになれば、何だってできる、とも思う。橋でも、猫でも、馴染みの喫茶店のコーナー席でも。気持ち次第で世界は命名し放題だ。しかし「できる」と「したい」の間には、静かだが確かな溝がある。

自分にもちっぽけな誇りがある。名前というのは軽いものではないと、どこかで信じている。安売りすれば名前そのものが薄まる。何だって良いわけではないのだ。これというものが、腹の底からそうだと思えるものが現れない限り、因んでなどということは、きっとないだろう。

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