なぜ五回?

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5回以上観た映画やテレビの連続番組は何ですか ?

五回以上見た、ということの不思議。一度目は素直に答えた。好きな作品の名前を書いて、どこが好きかを説明した。二度目は少し工夫して、思いつく限り列挙してみた。そして三度目の今年、このキャプションは、本当に「何を見たか」を聞きたいのだろうか。

考えてみると、五回以上見るという行為は少し変だ。映画は二時間、ドラマならワンシーズンで十数時間程度、番組なら様々だ。それを五回繰り返すということは、同じ結末を知りながら、同じ台詞を聞きながら、それでも画面の前に座り続けるということだ。新しい情報はほとんど得られない。

なぜ繰り返すのだろう。五回以上見るというのは「好き」を超えた何かだと思う。「好き」ならニ、三度くらいでも十分なはずだ。それ以上は、作品を見ているというより、自分の中にある何かを確かめに行っているのではないか。あの場面で笑えるか、あの台詞に今も痺れるか、あのラストシーンで今年も少し泣けるか。だとすれば、五回以上見た作品のリストは、作品の目録ではなく、自分という人間の断面図だ。どんな感情を繰り返し味わいたいか。どんな世界観に何度でも帰りたいかだ。

そう考えると、このキャプションへの正直な答えは、作品名ではないかもしれない。「私は同じ場所に何度でも戻れる人間です」という、ある自己紹介。今年は、そう受け取ることにした。

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